位相空間論の難しさ

位相空間論は現代数学の基礎に入る分野です。だから、大体の大学では数学科2年生くらいで教えられているそうですし、「集合・位相」のように集合とともに位相の内容を書いている本はたくさん出ているのだと思います。しかしながら、難しいと定評がある分野でもあります。

難しさの要因はやはりその抽象度にあります。位相というのは集合に付与される構造であるのですが、その定義というのは3つのルールからなります。そしてその定義が何を表しているかよくわからないというのが、難しさを引き起こしているのではないでしょうか。

しかし、何を表しているかよくわからなくても、定義さえ覚えてしまえば理論自体は読み進めることは可能なわけです。そして、その定義はまったくもって複雑ではないので、覚えるのはすごく簡単です。ですから、いかに私たちの直感や感覚が、抽象的な学問である数学をする上でも大切かがわかります。

私なりの解決策としては、ユークリッド空間から入ることです(もう多くの人が言っているかもしれませんが)。慣れ親しんだ例からいったいどの性質を抽出しようとしているのかを観察すれば、位相空間論はもう少し身近なものに感じてくるのではないでしょうか。

私自身いまだ学んでいる身ではありますが、ユークリッド空間から位相空間論を学ぶ場合のポイントとしては、その近さの概念を集合の言葉で翻訳するかにあるように思えます。

この抽象的であるがゆえの難しさは、数学のほかの分野でもよく見られます。逆に言えば、抽象的であるがゆえに定義さえ知ってしまえば、誰だってパズルのように組み立てることは可能なわけです。しかし、それが本当に意味のあることだとは私は思えません。無味乾燥だと思われる理論の後ろ側には、人が元来持っている直感が潜んでいて、それのおかげで数学は色鮮やかな風景を見せてくれるのだと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました